世界最古の職業といわれる売春行為(prostitution) は、今も世界中で見られます。言うまでも無く金銭やその他の金品と引き換えに、無差別な性的行為を行うことです。売春をする者は女性、男性、あるいはトランスジェンダー(transgender)であり、その行為は異性間または同性間で行われることもありますが、歴史的には、売春を行う者の大半は女性であり、客の大半は男性でした。
売春に関わる人々の呼び方は時代によっていろいろ変化します。売春婦(prostitute)は昔から使われています。女性解放運動から奴隷女性(slave woman)とか性奴隷(sex slaves)が登場し、アメリカでは1920年代にホワイトスレイブ(white slave)という用語が生まれます。最近では、中性名詞のような響きを持つ性労働者(sex worker)と呼ばれるようになりました。
慰安婦(comfort woman)という言葉が、売春を行う女性、あるいはそのように見なされる女性を指す言葉として広く使われるようになりました。その背景には、1930年代から1940年代にかけての旧日本軍による慰安所の設置と、当時、国が認めていた公娼制度が深く結びついています。1932年の上海事変以降、日本軍は海外の戦地に赴く兵士のために、性的なサービスを提供する施設を公式・非公式に設置し始めました。これが慰安所です。
当時、日本国内や朝鮮半島や台湾などの植民地には、法的・公的に売春が認められている公娼制度が存在していました。軍はこのシステムを海外の戦地にそのまま持ち込む、あるいは現地で利用する形で慰安所を運営したのです。その際、そこで働く女性たちのことを、軍の公文書などで「慰安婦」と呼ぶようになったのが始まりです。つまり、軍隊の慰安所に属し、兵士を対象に性的な接待を行った女性という意味で使われ始めました。
戦後、この言葉はしばらく一般的な記憶から薄れていましたが、1990年代以降、大東亜戦争中の女性の動員や強制性の有無、人権侵害の歴史的責任をめぐる政治的・社会的な論争、いわゆる従軍慰安婦問題として、再び大きく注目されるようになりました。1990年代、一連の朝日新聞による慰安婦≒女子挺身隊との誤解に基づいた報道がなされ、韓国では、対日感情が悪化していきました。

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